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アルトリウスに関する考察
【アルトリウスの生前の行動こそ深淵、大いなる謎】
日英それぞれのフレーバーテキストによればアルトリウスが猟殺してたのは「ダークレイス the Darkwraiths(またの呼び名を『闇の眷属 dark servants』)」で、
契約したのは「深淵の魔物 the creatures of the Abyss / beasts of the Abyss」。
その契約の結果、アルトリウスは「亡霊 ghosts」を殴れるようになったらしい。
情報過多なんだわ。しかも曖昧な単語ばっかりで肝心の語義が曖昧。アルトリウス伝説らしいっちゃらしい話だけど。
「深淵の魔物」が示す対象は深淵の生き物達(複数形)って理解でよろしいか。彼らの別名、というか蔑称が「深淵の獣ども」という感じの。
当然ながらキリスト教文化で「獣」っつったら悪魔を示唆するもんだし「魔物」って言ったら仏教用語で仏道を邪魔する善からぬ存在だしで言いたいことは日英文で変わりはない。誰よこれ使い出したの。趣味が最悪。命あるものに投げ掛けていい名前じゃない。名とは存在の形を決める最短の文だっていう話する?
しかし一際気になるのは「深淵の魔物」に当たる英文が creatures という点。これは通常「生き物」と訳される語だが語の背景を踏まえて和訳するなら「被造物」とも訳せる語でもある。
この世の生き物は the Creater(つまり唯一の神、主)が創ったんだから生き物を指す語は「被造物 creature」であるべきじゃん?というニュアンスがある語だからだ。
そして深淵には「主」にして「Father」たる存在がいる。それらの情報を踏まえれば「深淵の魔物達」とはすなわち「マヌスの被造物達」ということ。アルトリウスは悪魔達と契約したから呪われたんだってのがテキストの表現したいところかな。しかしマヌスが深淵をこねた逸話ってあったっけ?
アルトリウスにまつわる女性たちに関する考察
【ウェスタはローマ帝国の火そのもの】
シフは雌狼。有名な雌狼と言えばロムルスとレムルスを養育した狼が思い付く。ある種彼らの養母とも言えるかな。
ロムルス・レムルスの実母も興味深い。彼らの母はウェスタの巫女であるレア・シルウィア Rhea Silvia。Silviaはラテン語silva由来(意味はwood, forest)。シフは黒い森にいる。
ついでに言えばウェスタの巫女はすごく火防女に似てる。 彼女らの務めが「女神ウェスタに捧げられた聖なる炎を絶やさないこと」だったり、聖なる炎を絶やそうとすることが極めて重い罪とされたり。
【誰かを食べたんだろうか】
なんでシフが人間性落とすんだろ? いや本当に、どうして狼が「人間を人間たらしめるもの」をドロップするのか。本人のではないよな?
【グィネヴィアとアーサー】
グウィネヴィアはアルトリウスの最古にして最期の主人らしいが、それは元ネタを考えれば当然のことかもしれない。
グィネヴィアはアーサーの正妃かつ唯一の妃であり、すなわちアーサーを第一の騎士とする貴婦人なのだから。まあアーサーは異母姉モルゴースと浮気してたりはするんだけど。
【円卓の崩壊に必要な3人】
アーサー→アルトリウス
グィネヴィア→グウィネヴィア
というのは名前からして強く考えられる配役。となれば秩序崩壊のためにはラーンスロットが必要な気もする訳で。個人的にそれはグウィンではないかと思っている。詳しくはリンク先にて。
【キアラン、灰の人説】
キアラン Ciaranの現代的意味合いが litte dark だけど語源を探ってもどこにもlittle感が無い問題、姉に意見を求めたら「ちょっと黒、つまり灰色じゃない?」と言われた。その視点は無かったぜ。
確かに語源を辿ればciaranという語が示す色は灰色だ。だから王の刃の棟梁の名前は「灰色」、もしくは「灰」とも解せる。キアランもまた灰の人だったりして? なら彼女はどの薪の王にとって大事な人だったのだろう? ……まああくまで可能性の話だ。
ファランの不死隊に関する考察
【ファランの霊廟って何の建物なんだろう】
霊廟が不死隊全体を収容できる規模の建物であることを考えると、あれは本来は彼らの本拠地であったのだろうか。でも本拠地だった(過去形)とするには生活感皆無過ぎだ。
では名前の通り、ファランの霊廟は不死隊のための霊廟として建設されたものであるのか。だがそう仮定しても不可解な点が残る。
霊廟とは貴人の墓、貴人の死を悼む施設。しかしファランの霊廟は廟というにはあまりに装飾に欠けていて、廟という印象はあんまりない。ただの墓にしても簡素過ぎるし(棺すら無い)、一定数の人(夢追い人とか)に慕われていた貴人を弔う場所とは思えないのがどうにも解せぬ。
……と悶々としていたらフォロワーさんから有力な仮定を聞くことができた。本当にありがたい。で、その仮定とは「ファランの霊廟は本来不死隊の隊員が訓練を行う場所だったのではないか?」というもの。
納得です!!
そりゃ訓練施設なら不死隊全員を収容可能だろうし、生活感が無いのも当たり前! なるほどなあ。
という訳で、現在のところ管理人は「ファランの霊廟は本来は不死隊の訓練施設だった」と考えるようになりました。賢者の囁きありがてえ……。
【あの悲しい歌詞で立ち現れる奇跡とは?】
相変わらずダクソBGMに聞き惚れてるんだけど、ちょっと不思議に感じることもある。
ダークソウルで鐘の音は奇跡の触媒。そんな鐘の音がAbyss Watchersの始まりでめっちゃ響いてますよね。荘厳に、峻厳に、哀しげに。あの音は奇跡と関係あるのかな。
奇跡は物語られることで目の前に立ち現れる。カリムの聖女は優れた語り手。なら歌詞のある歌でも奇跡は発動するんだろうか。そうなら鐘の音+謳い(女声+男声合唱)で奇跡が何重にも発動しそうな曲だなあ、Abyss Watchers。
そうして現れる奇跡はどんな形になるのだろうか。
【ホークウッド、ガウェイン役説&不死隊、円卓の騎士説】
ガウェイン卿はアーサーから深い信頼を受けている重臣で、円卓の重要な登場人物。だからダークソウル世界にアーサー(アルトリウス)がいるならガウェインがいてもいいんじゃないかと管理人は思うのだ。
そして個人的にはホークウッド(Hawkwood)がガウェイン役じゃないかと疑っている。
理由はこうだ。アーサー王伝説に出てくる Sir Gawain には元ネタというか前身があって、それが Gwalchmai。
そして Gwalchmai という名前は
ウェールズ語 gwalch (hawk「鷹」/ rogue「悪党、腕白者」/ rascal「ごろつき、いたずらっ子」)
+
ウェールズ語 Mai(May「5月」)。
ガウェイン卿の前身は「五月の鷹」「五月の悪党」「五月のごろつき」という感じの名前の持ち主だったようである。
ガウェイン卿は礼節が服着て歩いてるような人物なので、彼の元ネタの名前として相応しいのは「五月の鷹」、「5月のHawk」。実際ガウェイン卿を主人公とした小説の題名が「五月の鷹」なのでこの推測には自信がある。
そして不死隊はアルトリウス(アーサー)を慕う人達の集まりなので彼らのことを「円卓の騎士達」と呼ぶことにそんなに無理はない。
「鷹」を名前に持つ円卓の一員といえばガウェイン卿。不死隊というアルトリウスの円卓の中で「鷹」を名前の中に持つ者はホークウッド。
そういう訳で管理人は不死隊は円卓の騎士達だと思うし、その中のガウェイン役がホークウッドだと考えている。
【絵画世界の外に絵画世界ができたと言うべきか、世界そのものが絵画世界化しているのだと捉えるべきか】
ファランは流刑人が辿り着くような「流れ者の地」であり「Land of itinerants 遍歴者/放浪者の地」。それまでいた場所から追放された人々が辿り着く場所、という感のある呼び名。
その役割は忌み者たちが行き着く絵画世界に近しいのでは。
そんな忌み嫌われたのであろう人々は、しかし昔日においては襲撃の憂き目には(多分)遭っていなかったろう。ファランには脅威である不死隊がいたから。
誰だって「強い不死人の軍団」がいる場所にカチコミはかけたくは無い(プレイヤー操作不死は除く)。単純にその強さによって居場所なき者達の居場所を守る存在。それもまた不死隊が果たしていた役目だったろう。
そういった意味で、不死隊は火を継がずとも既に王であったのではないか。だからこそ彼らには従僕(Farron Follower)が居たのだろうし。
そう考えると不死隊に憧れた者達の気持ちも分かる。「自分のような社会における役割と居場所を剥奪された人達を守れるのが不死隊だ、だから自分もそれに成りたい」と。
大体の人々からは死そのものの如く忌み嫌われつつ、居場所なき者たちにとっては慕わしい存在。不死隊はそういうものでもあったのではないかな。その内実は知られぬままに。
【深淵のソウルをそうとは知らずに飲んだ深淵狩り、とは笑えない】
「アルトリウスのソウル」の日英中テキストを参照してみると、アルトリウスは武力とかによって強制的に深淵に併呑されてるっぽいことが想像される。アルトリウスのソウルは既に深淵に属するソウルと化していたのかもしれない。それを人間性を持った不死達が飲んだ。
彼らの中で人間性(質量を持つ物体)と深淵(大きな質量)が重なる。その結果、不死達の人間性は重力という物理法則に従って深淵と同化したのではないか?
そして「深淵を宿したものをそれが何であれ滅ぼす」というのが彼らが選んでしまっていた世界に対する役割だった。たとえその深淵を持つものが何度死んでも忘れられないほどの心残りを向ける血の兄弟であったとしても。
だから監視者達は仲間同士で討ち取りあっていたのではないかと管理人は予測している。ホークウッドが「使命とやら」を呪うのは当然だ。彼が愛していたものを滅ぼしたものはそれなのだから。
そしてホークウッドが古竜に至ろうと決心した理由もそこの辺りにある気がする。深淵にも火にも揺らがないものになりたかったのではないかと。
そうすれば自分が深淵の一部になることもなく仲間に殺意を向けられずにいられ、火がもたらす使命に駆られて仲間を殺すことも避けられる。
まあホークウッドの内面は個々人の解釈次第なテーマなのでそこの辺りは完全に空想だが。
情報元
深淵の監視者 – ロードランを訪ねて
Soul of the Blood of the Wolf | Dark Souls Wiki | Fandom
狼血的灵魂_黑暗之魂3道具 – VG百科
法兰不死队_百度百科
ノイバラ(文化) – Wikipedia
ロームルス – Wikipedia
レア・シルウィア – Wikipedia
ウェスタの処女 – Wikipedia
Capitoline Wolf – Wikipedia
Silvia – Wiktionary
Latin Definition for: silva, silvae (ID: 35052) – Latin Dictionary and Grammar Resources – Latdict
Meaning, origin and history of the name Gawain – Behind the Name
Meaning, origin and history of the name Gwalchmai – Behind the Name
gwalch – Welsh-English / English-Welsh On-line Dictionary
Mai – Welsh-English / English-Welsh On-line Dictionary
五月の鷹 アン・ローレンス(著/文) – サウザンブックス社 | 版元ドットコム
(暫定版)(翻訳) Knight Artorias(意訳)
ダークソウル3 (DARK SOULS III) 神攻略wiki – 流刑人の大刀
ダークソウル3 (DARK SOULS III) 神攻略wiki – 流刑人の仮面
DARK SOULSⅢ/貴重品 – BLADE & GRENADE – 夢追い人の遺灰
【ダークソウル】「おかしな人形」の入手方法と効果や使いみち – 攻略大百科
Exile Watchdog | Dark Souls Wiki | Fandom
Farron Follower | Dark Souls Wiki | Fandom
深淵の主マヌス Manus, Father of the Abyss – 言語考察勢の手前辞書
アイキャッチ画像:Photo by Marek Szturc