グウィンと「記憶の抹消」刑

名前のない大きな墓碑

グウィンは実はダムナティオ・メモリアエを受けていたのではないか、という仮説がある。これは管理人が今のところ支持している見解だ。というのもアノール・ロンドの地下篝火部屋にあるグウィンのものだろう墓碑が無銘であるからだ

ひと際大きな、何も彫られていない墓石


部屋にある立像と、1つだけ大きい墓碑という構図からこの無銘の墓碑はグウィンのものではないかと管理人は推測している。そして名前の与えられていない墓石というのはいかにもダムナティオ・メモリアエ――「記憶の破壊」刑、「名声の破壊」刑っぽい。



墓に対する生者の振る舞いはその墓で追悼されている死者に対する遺された人々や後世の人々の評価を残酷なまでに表す。

セティ1世がアマルナ時代という混迷期を捨て去るようにツタンカーメン一族の名前をアビドスの王名表には載せず、モーツァルトを殺したと謂れのない悪評を立てられたサリエリの墓が墓地の端に置かれているように。




故人から全ての名誉を剥奪するということ

ダムナティオ・メモリアエが実際にどういう刑罰であるのかという感覚をつかめる作品として、管理人は「怪物は瓢箪となり、賢者は笑うようです」をお勧めしたい。

これは古代ローマの政治家セネカが発表した「アポコロキュントシス」という公開詩をテーマとした作品だ(このアポコロキュントシスについて西洋古典学者の國原吉之助氏は、死後元老院によって神格化されたクラウディウス帝へのセネカによる記憶の断罪であると書いている)。

ローマ皇帝クラウディウスは、元老院がガリア人を元老院議員にすることを拒んだ時、こう演説した。



クラウディウス帝はこのような演説を行い得た見識ある歴史家である。だが彼は後に暗殺され、その暗殺に関わったと思われるセネカは「アポコロキュントシス」を公開し、その中でこう歌った。


死後にその名誉を棄損されるとはどういうことかそれはこういうことなのだ。ダムナティオ・メモリアエがなぜ人々から恐れられたかを管理人はこの作品を通して理解した。

このように「怪物は瓢箪となり、賢者は笑うようです」はダムナティオ・メモリアエについての感覚を深められる良い作品であり、ぜひ読者の方々にお勧めしたい。ただし知性をもって他者を貶める人間の真っ暗な一面と相対する作品でもあるのでそこは注意を。最暗黒部を引用しといて何ですが。




記録・名声・記憶を破壊されたグウィン

故人の名前が遺ってもその名声と業績が剝奪されたなら、それは故人に対しての「記憶の抹消」刑が執行されたと判断していいと管理人は思う。

ゆえに墓碑に名前も追悼文も業績も彫られていないグウィンは「記憶の破壊」刑を科されたのだと、現時点で管理人は考えている。それは酷いことであり、その処罰は過大だと怒る者がいるのも当然であろう。

翼を渇望する者は(同様に)空の刑を与えることを望む

翼を渇望する者は神々に同刑罪を望む

(空の刑…同刑罪を…)

暫定版(翻訳)Gravelord Nito(意訳)





情報元
ダムナティオ・メモリアエ – Wikipedia
クラウディウス – Wikipedia
嗚呼! やる夫道 怪物は瓢箪となり、賢者は笑うようです 目次
ローマ帝国第4代皇帝クラウディウスの演説 | しろグ
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【ダークソウル考察】(微グロ注意)大王グウィン、デーモン勢に敗北していた件【ニト、非ニート説】 – YouTube
暫定版(翻訳)Gravelord Nito(意訳) – YouTube
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アイキャッチ画像:Photo by Caitlyn Wilson on Unsplash


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