twitterに放流した考察のまとめ

神話・伝承と絡めた考察

【マスターキートンリマスターを読んだので】
火の時代の古竜ケルト神話の神ケルヌンノスは「角」と「足を組むポーズ」が共通している。 ケルヌンノスに関連する有名な遺物はグンデストルップの大釜 (Gundestrup cauldron)。

大釜 cauldronはルドレスの故郷クールラント Courlandのアナグラム。 クールラントって古竜と関係あるのかな。



【鍛冶師ってトールキン作品じゃトラブルメーカーの代名詞】
ダークソウル神話の初期メンツ(竜であるシースは除く)、ドワーフなのでは?

エッダ「巫女の予言」によれば、土から作られた小人達はドヴァリンと言い、彼らをドワーフとも呼ぶ。これがトールキン・ドワーフの発想源の1つ。 ドヴァリンは神々の敵対者でもあったが、優れた鍛治職人でもあった。



【深淵の妻が深みってすごい話だ】
アプスーの妻にして雌竜?のティアマトは「深み」に関係があるのかも?

またTiamatは『創世記』第1章第2節に北西セム語の tehom (תהום) (深み、奈落の底)と同根語であるとも言われる。

ティアマト – Wikipedia

標準英語聖書での創世記第1章第2節の訳語はthe deep



【影の無い亡者と有る亡者がいる、という検証に寄せて】
吸血鬼は鏡に映らない、という設定というか言い伝えを思い出した。 生きてもいないが死んでもいない、動く死体たる吸血鬼。影が消失している亡者は肉体と魂のリンクが弱まっている?のかも? 吸血鬼はそんな理由で鏡に映らないらしいので。 影は鏡ではないけれど、光によって結ばれる像だからという強弁。

「鏡は人間の魂を映し出す」という伝承があるらしく、そこも含めて関連がありそうではある。影持ち亡者にはまだ人間の魂がある、のかもしれない。

それがソウルなのか人間性なのかは定かでないが。



【橋のウシガエルとしても知られている赤いアマガエルのヘンリー、みたいな違和感】
Fandom情報によればヘルカイトは The Hellkite Dragon, also known as the Red Drake or Bridge Wyvern らしい。

ドレイクというのはドラゴンの分類上の一種らしく「無翼」「四つ足」が特徴のようだ。ワイバーンは「有翼」「二本足」。何で二種類の呼ばれ方をしているんだ? 見る限りヘルカイトはワイバーン種だと思うので、ドレイクと呼ばれているのは解せぬ。



【偕成社文庫のグリム童話集とか読めば叩き込まれる】
ダクソの魔法は「Sorcery」であるようだ。つまりは〔悪霊の力を利用して行う〕魔法、魔術、妖術、黒魔術。ロクでもないな。絶対代償あるだろそれ。悪魔は自らの利益なしに人に力を貸すことはない。これメルヒェンの基本




科学・歴史知識を用いた考察

【不死、どこかの胎児の羊水をくすねてるのでは疑惑】
エストの味は「尿」だとどこかで聞いた(出典不明)。で、「妊娠後期における羊水の主成分は胎児尿」であるらしい(出典は日本産科婦人科学会出版の日本産科婦人科學會雜誌. 65(2))。

そこで思ったのだがエスト瓶の中身, 羊水では? 出典元の出版年が2013年で、古い情報なのがネック。

しかし、もし、もし仮にエストの中身が羊水なら、不死はえらく特殊な赤ちゃんプレイをしてることになるねえ……。もうそれ赤ちゃんプレイじゃなくて胎児プレイだよ……。



【ソラールさん自身が昔の人なのに】
ソラールさんはグレートヘルム(12c-14cのヨーロッパにて使用)を被っていて、OP主人公がバシネット(15cから使用された)を被っているあたり、ソラールさんは主人公から見て過去の時代の人なのだと思う。じゃあその昔の人であるソラールさんが言う「100年以上前の伝説」って誰だ?

ストーリー展開的に考えて、ソラールさんと出会う時点で目に付くキャラはそんなに多くない。思い付くのは心折れた戦士、アナスタシア、ペトルスの祭祀場初期メンバーくらいか。その中で伝説残してそうなのは青ニートかアナスタシアさんに思える(ペト君は何か違う気がして……)。

青ニートとアナスタシアさんは両名とも項垂れているが、アリストテレス的に考えれば優れた物語は悲劇であるべきなのでそこら辺も彼らはロードランの外で伝説化してるんじゃ?と疑う理由。

まあソラールさんのいる時空と主人公のいる時間と空間は違うから何とも言えないんだけど



【アノール・ロンドは太陽の名を冠した都市のはずだが】
豪華ベッド部屋の暖炉にはこんな彫り物が。二つの柱と下弦の月みたいな何か(船?)とその上にある円盤。この円盤は何だろう。太陽の象徴としてしばしば用いられる車輪?

いやこれ太陽十字の1つ、「アッシュルの太陽十字とナンナの三日月:Sun cross of Ashur and crescent moon of Nanna」か?

Sun cross of Ashur and crescent moon of Nanna

アノールの名を掲げた宮殿の貴人部屋に「太陽と月」の紋章があるのはどうしてだ?




言語観点からの考察

【薪なら生木乾かせばいいけど、炭は一旦木を火にくべないと作れない】
「薪の王 Lord of Cinder」、「王の薪 Cinders of a Lord」。妙な訳語である。Lordは王と訳せるような訳せないような微妙なラインに立っているしcinderの訳語は薪でないし。別に大した意味は無いのかもしれないが、少し気になる。

cinderの意味は燃え殻、消し炭。一旦燃えたものを指す。薪は焚き木、燃料にする木のこと。これから燃えるもの。firewoodが辞書的な訳語になる。

cinderと薪で燃料としての時系列が違う気がするのだが。炭の王と呼ばれていれば一致するのに。firewood(薪)が燃えてcinder(炭)になる、と思うのだけども。グウィンや不死隊らは「”すでに燃えたもの”の支配者」なのか「”これから燃えるもの”の支配者」なのか

個人的な雑感でしかないが「薪の王」=「”これから燃えるもの”の王」という名前には生贄のニュアンスが強くて、「Lord of Cinder」=「”すでに燃えたもの”の王」には死んだ生贄が鬼神として奉られた感じがある。

両者は時系列が違うだけで同じものではあろうなあ。



【古竜(Everlasting Dragon)を思い出した】
誓約「白教」の英訳はWay of Whiteで、誓約「青教」はWay of Blue。”Way”に「教え」の意味はない気がするけど、”道”にはその意味がある気もする。

まあ詩篇でも「とこしえの道 the everlasting way」と言うし、「教え」を「道」と言い表す感覚は東西共通の感覚としてあるんだろう



分類先が分からない考察

【それともYOU DIEDするたびに過去軸に戻ってたりして】
ダクソでYOU DIEDすると壊しておいた箱が壊れてない状態になる。篝火に当たるだけなら壊れたまま。プレイヤー操作不死が死ぬたびにプレイヤーが操作(干渉)する世界線が変更されてたりするのかな

操作される不死もYOU DIEDのたびに入れ替わってんのかな。だとしたらなんか、寂しいな。

そもそもダークソウルって「プレイヤーが成長することで物語を紐解く」ゲームだしなあ。主人公が成長・変化することによって、ではなくて。ステータスやら何やらの情報は不死ではなくプレイヤーに紐付いているのかもしれない。物語を一貫して観測するのは操作される不死ではなくプレイヤー。

まさしく(物語を動かし描き切るという意味での)主人公は自分、なのかもしれない。






情報元
薪の王グウィン – DARK SOULS ダークソウル攻略Wiki
王の薪 | ダークソウル3攻略データベース
Gwyn, Lord of Cinder | Dark Souls Wiki | Fandom
Cinders of a Lord | Dark Souls Wiki | Fandom
Hellkite Dragon | Dark Souls Wiki | Fandom
Sorcery (element) | Dark Souls Wiki | Fandom
Way of White | Dark Souls Wiki | Fandom
Way of Blue | Dark Souls Wiki | Fandom
神聖娼婦 – Wikipedia
ダムナティオ・メモリアエ – Wikipedia
クールラント – Wikipedia
ケルヌンノス – Wikipedia
グンデストルップの大釜 – Wikipedia
吸血鬼 _ヴィクトリア朝以降の吸血鬼 – Wikipedia
グレートヘルム – Wikipedia
詩学 (アリストテレス) – Wikipedia
アッシュル (神) – Wikipedia
シン (メソポタミア神話) – Wikipedia

Sun cross – Wikipedia
Bascinet – Wikipedia
cinderの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書
firewoodの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書
薪 | 漢字一字 | 漢字ペディア
炭 | 漢字一字 | 漢字ペディア
P2-34-2 いつから羊水の主成分が胎児尿となるか? : 羊水過少と先天性腎泌尿器異常の関連(Group 86 胎児奇形・先天異常2,一般演題,公益社団法人日本産科婦人科学会第65回学術講演会) – 国立国会図書館デジタルコレクション


アイキャッチ画像:Photo by Dan Meyers on Unsplash


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